前回、永久機関について書いて、その中で、擬似永久機関を体験できるものとして、”水飲み鳥”というおもちゃを紹介しました。
どんな動きをするかというと、半永久的に水を飲むように頭が動きます動きます。これはとってもすごいことなんです。よく考えられてないと、なかな作ることは難しい。下に動画を載せます。
この世には、外部からの動力を受けずに永久に運動をし続けるものは存在しません。もし存在したら、永久機関が存在してしまいます。そうなると科学の常識が壊れてしまいます。この水飲み鳥は外部から動力を得ていますが、非常に擬似永久機関的なので、このおもちゃの仕組みを解説します。
水飲み鳥の原理
水飲み鳥の構造は下のようになっている。この装置の中には、ジクロロメタンという液体と、その気体だけで満たされている。この液体は気体になりやすい。頭部はフェルトで出来ていて、コップの水を吸収する。
仕組みは以下の通りである。(引用: Wikipedia)
- ① 頭部から水が蒸発する(マクスウェル分布)
- ② 蒸発により頭部の温度が下がる(蒸発熱)
- ③ 温度の低下により頭部のジクロロメタン蒸気が凝集する
- ④ 温度の低下と凝集により頭部の気圧が下がる(理想気体の状態方程式)
- ⑤ 頭部と胴体の気圧差により管内の液面が上昇する
- ⑥ 液体が頭部に流れ込むことで重心が上がり、前方へ傾く
- ⑦ 傾くことで管の下端が液面より上に出る
- ⑧ 蒸気の気泡が管を通って上昇し、液体は下降する
- ⑨ 液体が胴体に流れ、頭部と胴体の気圧が平衡する
- ⑩ 液体が胴体へ戻ったことで重心が下がり、鳥は元の直立状態に戻る
ポイント
ポイントは、ジクロロメタンという液体が、凝集され液体の量が増えたり、体内の液体が揮発することで、重心を変えて動いているということだと思います。また、気圧の変化、気圧が高いところから低いところへ流れることの観察を行いやすい装置です。フェルトも毛細管現象によって水を吸い上げるので、さまざまな物理法則に興味を持つきっかけになりそうです。
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